悔しすぎる経験から不動産の道へ
公開日:2024年04月16日
新井ホームの新井泰典です。地元春日部で60年以上不動産業を営んでいる会社ですが...
生涯年収よりも高い相続税のせいで、祖父の土地を手放した後悔から不動産の道へ
ポイント
①社長の祖父は農業の傍ら、不動産の仲介をしていた
②スーパーで魚を売っていた新井が不動産業を始めたきっかけは、多額の相続税
③新井ホームが手掛けるのは中古物件を買い取り、リフォームして販売すること
新井ホームの新井泰典です。地元春日部で60年以上不動産業を営んでいる会社です……が、現社長である私、新井は、祖父が始めた不動産事業を継ぐつもりはありませんでした。不動産への道は、あるひとつの悔しすぎる出来事から始まったのです。
私の実家は代々農業を営んでいます。ですが私の祖父は、宅地建物取引士の資格が創設されてからすぐに取得し、農業の傍ら、知り合いの農家の土地を仲介して家を建てたり貸したりしていました。早い段階で宅建を取得し、不動産も仕事にしていたというのは、自分の祖父ながら先見の明があるなあ、と感心してしまいます。
とはいえ、私は不動産に全く興味はありませんでした。大学卒業後、就職氷河期だったことから、食べていくのに困らない、衣食住にまつわる職がいいだろうと思い、近隣に展開するスーパーに就職しました。
もっと知っておけばよかった!!
魚売り場に配属された私は、いかにお客さんを引き寄せるかを考えながら、店内アナウンスに精を出す日々でした。そんなある日、自宅周辺にいくつか土地を所有していた祖父が他界。当時私は不動産や相続に関する知識が皆無だったのですが、驚いたのは、不動産の相続税がスーパーに勤めている私の生涯年収をはるかに上回る金額だったことです!
そんな金額払えない(泣)という状況で、税務署に言われるがまま、所有している全ての土地を税金として収める「物納」にサイン。祖父が頑張って手に入れた土地を泣く泣く手放しました。後に、物納ではない別のやり方もあったと知ったのですが……。
「もっと知っておけばよかった」「収めた土地を取り戻したい」そんな、歯をギリギリさせちゃうくらいの悔しさから、祖父の事業を継いで不動産の道に進もうと一念発起したのです。
スーパーを退職し、都内や埼玉県内の不動産会社で合わせて10 年ほど武者修行(勉強)した後、祖父の「新井不動産」改め「新井ホーム」として再出発したのです。
当社は賃貸も手掛けますが、専門はもちろん、自分が手放した物件を取り戻したいという思いから、中古物件を買い取り、リフォームして売るという分野です。
このコラムでは、今まで担当させていただいた物件のあれやこれやの経験から、皆さまのお役に立てるような話をしていこうと思います。電車に乗っている時に。スーパー開店待ちの5分間に。パートナーと喧嘩して不貞腐れている時にでも、お読みいただければと思います。